仮仮義足のソケット問題

義足のリハビリテーション普及の妨げになっているのが、仮義足を作る前に必要になる”もう一つの義足”の問題です。うちの病院ではこの”もう一つの義足”のことを”仮仮義足”と呼んでいます。

 

なぜ仮仮義足が必要なのか。

 

切断になったら仮義足を1本作ってそれで終わりでいいんじゃないの?と思われがちですが、実はそうではありません。

切断後初期における切断者の断端は、大きさがどんどん変わっていきます。入院中にも変わっていきます。これを断端の成熟と呼びます。

そのため断端の変化に合わせて義足も作り変えていく必要がでてきます。具体的には義足の中のソケットというパーツを作り変える必要があります。

ソケットとは断端を入れるパーツのことです。

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義足のソケットは靴よりももっと厳密なフィッティングが要求されます。フィッティングが悪いと痛くて歩けなかったり、傷ができたりします。

リハビリの最初の段階でこのような完成品を作ってしまうと、しばらくするとソケットが合わなくなり、義足を作り直さなければいけなくなってしまいます。

ところが義足の作り直しは医療保険では認められていませんし、身体障害者手帳で作るにも申請から許可が下りるまでに1ヶ月以上かかるので、そんなに待てません。それに仮義足作製からすぐに手帳を使って申請しても、もっと長く仮義足をはいてから申請してくださいと自治体に言われてしまって門前払いという現状もあります。

 

そのため、仮義足の前の仮仮義足が必要というわけです。仮仮義足でしばらく断端の成熟を進めてから仮義足の作製に入る。これが重要になります。

仮仮義足のソケットをどうするかですが、一つにはチェックソケットという透明ソケットを作るという方法があります。

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ただしこの方法はチェックソケットの作り直しにかかるコストを計上することが認められていないという問題があります。

プラスチックキャストで仮仮義足のソケットを作るという方法もあるようで、これも試してみないとなと考えているところです。

 

なかなか悩ましいのですが、できるだけ多くの病院に普及できるような方法を考えていきたいと思っています。